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山西 敏彦; 木下 正弘*; 奥野 健二; 成瀬 雄二
JAERI-M 91-149, 11 Pages, 1991/09
深冷蒸留塔の分離特性を、N-Ar系で、内径の小さい塔(1,2cm)及びサイズが(1.5,3.0,6.0mm)のディクソンリングを用いて測定した。充填物のサイズ及び塔内径によらず、HETPに対する塔内蒸気速度の明確な影響は認められなかった。内径の異なる両方の塔に対して、1.5mmと3mmのディクソンリングはほぼ同じHETP(5.5cm)を与えたが、一方、6mmのディクソンリングでは大きなHETP(8~12cm)を得た。塔中央部でのAr濃度の実験値と計算値の不一致が蒸気速度の小さい範囲で認められたが、この傾向は、充填物サイズが小さくなると共に顕著になることを認めた。結果として、3mmのディクソンリングが、HETPの値が小さい、ステージモデルによる塔挙動の予測が容易であるという点で、最も優れた分離特性を与えた。
山西 敏彦; 木下 正弘
Journal of Nuclear Science and Technology, 21(1), p.61 - 70, 1984/00
被引用回数:12 パーセンタイル:75.07(Nuclear Science & Technology)深冷蒸留の予備実験が内径の非常に小さい搭を用いて、行われた。蒸留実験はN-Ar系について全還流操作で行われ、水素同位体分離を行う搭の重要な特徴を模擬した搭が用いられた。その結果、充愼物を支える金網は、できうる限り目を粗く更に円錐状にする必要があることが判明した。また近似モデルによる搭動性シミュレーションは、実験結果と極めてよく一致し、その妥当性が確められた。HETPの値は、充填物にディクソンリングを用い、様々な蒸気流量下で測定された。測定値はいずれも約5.5cmとなり、オーバーオールなHETPの値は蒸気流量に対し殆んど依存性を示さなかった。しかしながら、かなり小さな蒸気流量で蒸留を行った際には、搭上部のHETPと搭下部のHETPとの間に、若干の差が生じることが認められた。
山西 敏彦; 木下 正弘
Journal of Nuclear Science and Technology, 21(11), p.853 - 861, 1984/00
被引用回数:21 パーセンタイル:85.09(Nuclear Science & Technology)深冷蒸留法による水素同位体分離の予備実験が、非常に内径の小さい塔(~2cm)を用いてN-Ar系で行われた。実験は全環流操作により行われ、塔性能に及ぼす充填物の種類の影響が検討された。用いた充填物は、ディクソンリング,ヘリパック,ヘリックス,コイルパックの4種類である。その結果、オーバーオールなHETPは、ディクソンリング,コイルパックで約5.5cm、ヘリックス,ヘリパックでは約6cmとなった。加えて、オーバーオールなHETPは、蒸気流量に対しほとんど依存性を示さなかった。また、蒸気流量が比較的大きい場合は、コイルパック以外の充填物では、塔上部と下部のHETPは一致した。なお塔の圧損は、ディクソンリングを用いた場合が最も小さかった。以上の結果から、4種類のパッキングの中で、ディクソンリングが最も優れていると結論することができる。